２０２１年１１月２４日、八戸シティ法律事務所の主催で、青森県内を中心とする企業様を対象として、「～すぐそこにある危機～従業員の交通事故をめぐる企業のリスクと対策」と題するＷＥＢセミナーを開催いたしました。
講師は、八戸シティ法律事務所の弁護士・山口龍介が務めました。

青森県・岩手県では特に、企業活動において、自動車の使用は欠かせません。
そのような中で、従業員が交通事故を起こしてしまった場合、事前の十分な対策をしていなかったり、初動を含めた事後対応を誤ったりすると、企業には、多大な損害を被ってしまうリスクだけでなく、社会的評価・信用において大きなダメージを受けてしまうリスクが高まります。
さらに、従業員の交通事故は、業務中なのか、通勤中なのか、プライベートでの事故なのか、あるいは、マイカーなのか、社用車なのかという要素も絡んで、案件が複雑化しますので、事前の対策も、事後の対応も、様々な場面を想定する必要があります。

セミナーでは、講師の弁護士・山口龍介から、ご参加いただいた企業の方々に対し、前半で、従業員の交通事故をめぐる企業のリスク、ケース別のリスクの考え方を整理してご説明した上で、後半では、そのリスクを軽減するための社内管理体制や事故発生時の対応などについて、解説させていただきました。

【講演内容】
１　従業員の交通事故をめぐる企業のリスク
（１）従業員の交通事故の類型
（２）企業のリスク　基本Q＆A～企業が責任を負う場合、企業が損害を被る場合～
２　ケース別企業リスク～裁判例から運用のヒントを得る～
（１）業務中の事故についての裁判例
（２）通勤途中の事故についての裁判例
（３）社用車の無断使用での事故についての裁判例
３　リスク軽減に向けた実効性ある対策のポイント
（１）マイカー通勤規定等の完備と、従業員への周知徹底
（２）任意保険加入とその確認の徹底
（３）交通安全教育の徹底
４　従業員の交通事故発生時の実務対応
（１）事故の第一報を受けた際の対応
（２）当事者間で解決できないときの対応
５　交通事故を起こした従業員と企業の関係について
（１）従業員に対する処分の可否（適正な懲戒処分とは）
（２）企業が負担した損害を従業員に請求できるか（求償の問題）