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ニュースレター41-1

内容

遺産分割の問題は早めに解決を

お盆の期間中に、親戚同士で顔を合わせる機会を持たれたという方も多いのではないでしょうか。その際に、故人の相続の問題が解決しておらず、親戚同士で遺産分割について話し合われたという方もいらっしゃるかもしれません。今月号のニュースレターでは、遺産分割の問題は早めに解決いただいた方が良いということと、その理由についてご説明させていただきます。

1 問題の複雑化・深刻化
遺産分割の問題が放置されたり、先延ばしにされたりして時間が経てば経つほど、問題が複雑化・深刻化してしまいます。例えば、遺産分割の話し合いが進まないうちに、相続人の一人である長男が死亡してしまった場合には、その長男の相続人(長男の妻や長男の子など)が新たに遺産分割の話し合いの中に加わることになります。そうすると、それぞれの相続人の利害や思惑がさらに複雑化し、ますます遺産分割の問題の解決が難しくなってしまうことがあり得ます。また、仮に元々の相続人同士の関係が良好だったとしても、新たな人物が遺産分割の当事者に加わることで、一転して深刻な対立が生じることも考えられます。

さらに、相続人の一人が認知症にかかるなどして、話し合いができなくなってしまうことも起こり得ます。遺産分割は、相続人全員が手続に参加しなければ、有効に成立させることができません。そのため、このような場合に遺産分割の手続を進めるためには、認知症にかかった相続人に成年後見人を付けるための手続を別途踏まなければならなくなり、さらなる手間や費用の負担が発生してしまいます。

2 相続税の負担増
一定以上の遺産が存在する場合には、相続税が課税されます。そして、相続税は、たとえ遺産分割が済んでいなくても、被相続人が死亡してから10か月以内に申告・納付しなければならないものとされています。もし、10か月の相続税申告期間を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税が余分に課せられる可能性がある上、配偶者の税額軽減の特例や小規模宅地等の課税価格の特例といった相続税を軽減できる制度の適用を受けることができなくなってしまいます。遺産分割の問題が解決しないために、相続税の負担が大きくなり、結果的に取得する遺産が目減りしてしまう可能性があるのです。

3 まとめ
以上のように、遺産分割の問題は、できるだけ早期に解決されることが望ましいと言えます。しかし、相続人同士の仲が悪かったり、揉めていたりして、なかなか解決ができずにお困りの方もいらっしゃるかもしれません。遺産分割の問題でお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。

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