境界紛争の解決事例１（土地の取得時効） | 八戸シティ法律事務所

１　背景

個人のお客様より、隣地を所有している相手方との境界に関するトラブルついて、ご相談・ご依頼いただきました。

隣地には土地を四角く区画する形で擁壁（ブロック）が設置されており、お客様としては擁壁の向こう側が隣地、擁壁の手前側が自分の土地であると考え、昔から土地を使用していました。

しかし、実際には隣地が擁壁より若干広く、お客様が隣地の一部を知らずに使用してきたことが発覚しました。
このことは測量によって発覚し、お客様は本来の隣地にはみ出る形で小屋を設置していたため、相手方から撤去を求められました。

そこで、不動産の取得時効により解決できないかということで、当事務所へのご相談・ご依頼に至りました。

２　当事務所の対応

当事務所の弁護士は、まず、相手方に対し、登記手続に協力いただきたい旨の打診をしましたが、相手方は断固として拒否する様子であったことから、登記手続を求める訴訟を提起しました。

取得時効においては、過去のある時点における占有や当該占有にかかる善意無過失などの法的な要件が問題となります。

これらに関する証拠として、お客様が昔撮影した写真の中に、当該土地周辺が写ったものがありました。
そこで、当事務所の弁護士は、これらの証拠を整理し、図面なども駆使して、お客様が昔からこの土地を使用してきたことや、お客様がこの土地が自分の物だと信じたことに過失がなかったことを主張・立証しました。
その結果、お客様の取得時効を認め、相手方に登記手続を命じる内容の判決を獲得しました。

これにより、相手方との境界問題について、お客様の希望どおりに決着をつけることに成功しました。