代表弁護士で温泉ソムリエの木村哲也です。

最近の休日は、青森県内各地の温泉によく足を運んでいます。

今回の日常コラムでは、温泉に関する様々な話題と、最近訪れた青森県内の温泉のご紹介を中心にお話させていただきます。

【目次】
1 温泉地と名物グルメ
(1)はじめに
(2)浅虫温泉と海鮮丼・久慈良餅
(3)大鰐温泉と大鰐温泉もやし
(4)下風呂温泉と風間浦鮟鱇・大間まぐろ
(5)嶽温泉と嶽きみ
(6)まとめ
2 嶽温泉(その2)
3 温泉地と伝統工芸
(1)はじめに
(2)温湯温泉と温湯こけし・ずぐり
(3)大鰐温泉と大鰐こけし・ずぐり
(4)嶽温泉とあけび蔓細工
(5)まとめ
4 温湯温泉
5 温泉地と文学
(1)はじめに
(2)文学紀行-青森県の名湯
(3)青森県の温泉地を舞台とする文学作品
(4)文学作品に描かれる青森県の名湯
(5)まとめ
6 平舘不老ふ死温泉
7 温泉宿の後継者問題
8 おわりに

1 温泉地と名物グルメ

(1)はじめに

青森県には、名産品・特産品とされる食材や郷土料理が数多くあります。

以下では、青森県の温泉地で味わうことができる名物グルメの一部をご紹介いたします。

(2)浅虫温泉と海鮮丼・久慈良餅

【松の湯】
 
※「松の湯」様は浅虫温泉にある公衆浴場です。浴室の写真は家族風呂です。

青森市にある浅虫温泉では、海鮮丼と久慈良餅をお勧めいたします。

【松の湯】

 

※「松の湯」様は浅虫温泉にある公衆浴場です。浴室の写真は家族風呂です。

青森市にある浅虫温泉では、海鮮丼と久慈良餅をお勧めいたします。

青森県は太平洋、津軽海峡、日本海と三面を海に囲まれ、四季折々の新鮮な海の幸を楽しむことができます。
このような魚介類をたっぷりと使用した海鮮丼は、食べ応えのある贅沢な一品です。
浅虫温泉では海鮮丼を提供する食堂が複数あり、先日、「鶴亀屋食堂」様、「正立食堂」様、「もりや商店」様で海鮮丼の食べ比べをしました。

【鶴亀屋食堂】

【正立食堂】

【もりや商店】

浅虫温泉では、久慈良餅も人気です。
久慈良餅は米粉に餡・砂糖などを混合して蒸した餅菓子であり、鯵ヶ沢町や山形県最上地方でも作られています。
発祥は山形県最上地方の新庄市ではないかと言われており、山形県では「久持良餅」と表記されます。
名称の由来は「久しく持ちの良い餅」であるとか、「鯨肉に似ている餅」であるなどと言われていますが、真相ははっきりしないようです。
なお、久慈良餅に鯨肉は入っていません。

【鶴亀屋食堂】

【正立食堂】

【もりや商店】

浅虫温泉では、久慈良餅も人気です。
久慈良餅は米粉に餡・砂糖などを混合して蒸した餅菓子であり、鯵ヶ沢町や山形県最上地方でも作られています。
発祥は山形県最上地方の新庄市ではないかと言われており、山形県では「久持良餅」と表記されます。
名称の由来は「久しく持ちの良い餅」であるとか、「鯨肉に似ている餅」であるなどと言われていますが、真相ははっきりしないようです。
なお、久慈良餅に鯨肉は入っていません。

【久慈良餅】

浅虫温泉では、「菊屋餅店」様と「永井久慈良餅店」様で久慈良餅をお求めいただけます。
先日、両店の久慈良餅の食べ比べをしました。
「菊屋餅店」様の久慈良餅は、もち米が配合されているため粘り気のある食感であり、「永井久慈良餅店」様と比較すると甘さをやや強く感じる味わいです。
「永井久慈良餅店」様の久慈良餅は、むっちりとした歯切れの良い食感であり、薄甘さの中に塩気を感じる味わいです。

【菊屋餅店】

【永井久慈良餅店】

【久慈良餅】

浅虫温泉では、「菊屋餅店」様と「永井久慈良餅店」様で久慈良餅をお求めいただけます。
先日、両店の久慈良餅の食べ比べをしました。
「菊屋餅店」様の久慈良餅は、もち米が配合されているため粘り気のある食感であり、「永井久慈良餅店」様と比較すると甘さをやや強く感じる味わいです。
「永井久慈良餅店」様の久慈良餅は、むっちりとした歯切れの良い食感であり、薄甘さの中に塩気を感じる味わいです。

【菊屋餅店】

【永井久慈良餅店】

(3)大鰐温泉と大鰐温泉もやし

【鰐の湯】
 
※「鰐の湯」様は大鰐町地域交流センター「鰐cоme」内にある日帰り温泉です。浴室の写真は家族風呂です。「鰐の湯」様では、大浴場は循環・ろ過が行われており、家族風呂は源泉かけ流しです。

大鰐町にある大鰐温泉では、江戸時代から伝わる大鰐温泉もやしが生産されています。

【大鰐温泉もやし】

※大鰐温泉もやしの写真は「鰐cоme」内にある売店「メルカート」様で陳列されていた商品です。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

大鰐温泉もやしは、大鰐温泉の温泉熱と温泉水を利用して土耕栽培され(一般に流通しているもやしの多くは水耕栽培です)、ほのかな土の香り、シャキシャキとした歯ごたえ、独特のうまみがあります。
大鰐温泉もやしには、小八豆(こはちまめ)という大豆から作られる豆もやしと、そばから作られるそばもやしの2種類があり(上記の写真は豆もやしです)、長さが30cm以上になります。
11月頃~翌年5月頃が大鰐温泉もやしの栽培期間です。

先日、「鰐cоme」内にあるお食事処「花りんご」様で、大鰐温泉もやしをたっぷりと使用した「大鰐温泉もやし しゃぶしゃぶ御膳」をいただきました。

【大鰐温泉もやし しゃぶしゃぶ御膳】

また、大鰐温泉もやしを使用した「大鰐温泉もやしラーメン」もお勧めです。
大鰐温泉では「大鰐温泉もやしラーメン」を提供する食堂が複数あり、先日、上記の「花りんご」様のほかに、「いこい食堂」様、「朝日屋 日景食堂」様、「山崎食堂」様で「大鰐温泉もやしラーメン」の食べ比べをしました。

【いこい食堂】

※煮干し出汁が効いた醤油味です。細かく刻んだ油揚げが入っており、噛みしめると旨みがしみ出します。

【朝日屋 日景食堂】

※具だくさんの塩味です。ゴマの香ばしさとコショウの刺激がアクセントです。

【山崎食堂】

※甘みが強めの醤油味です。飽きの来ない優しい味わいです。

【花りんご】

※写真は味噌味の「特製甘酒みそラーメン」です。甘酒がみそスープに甘みと旨みを加えます。なお、メニューには醤油味の「大鰐温泉もやしラーメン」などもあります。

【鰐の湯】

 

※「鰐の湯」様は大鰐町地域交流センター「鰐cоme」内にある日帰り温泉です。浴室の写真は家族風呂です。「鰐の湯」様では、大浴場は循環・ろ過が行われており、家族風呂は源泉かけ流しです。

大鰐町にある大鰐温泉では、江戸時代から伝わる大鰐温泉もやしが生産されています。

【大鰐温泉もやし】

※大鰐温泉もやしの写真は「鰐cоme」内にある売店「メルカート」様で陳列されていた商品です。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

大鰐温泉もやしは、大鰐温泉の温泉熱と温泉水を利用して土耕栽培され(一般に流通しているもやしの多くは水耕栽培です)、ほのかな土の香り、シャキシャキとした歯ごたえ、独特のうまみがあります。
大鰐温泉もやしには、小八豆(こはちまめ)という大豆から作られる豆もやしと、そばから作られるそばもやしの2種類があり(上記の写真は豆もやしです)、長さが30cm以上になります。
11月頃~翌年5月頃が大鰐温泉もやしの栽培期間です。

先日、「鰐cоme」内にあるお食事処「花りんご」様で、大鰐温泉もやしをたっぷりと使用した「大鰐温泉もやし しゃぶしゃぶ御膳」をいただきました。

【大鰐温泉もやし しゃぶしゃぶ御膳】

また、大鰐温泉もやしを使用した「大鰐温泉もやしラーメン」もお勧めです。
大鰐温泉では「大鰐温泉もやしラーメン」を提供する食堂が複数あり、先日、上記の「花りんご」様のほかに、「いこい食堂」様、「朝日屋 日景食堂」様、「山崎食堂」様で「大鰐温泉もやしラーメン」の食べ比べをしました。

【いこい食堂】

※煮干し出汁が効いた醤油味です。細かく刻んだ油揚げが入っており、噛みしめると旨みがしみ出します。

【朝日屋 日景食堂】

※具だくさんの塩味です。ゴマの香ばしさとコショウの刺激がアクセントです。

【山崎食堂】

※甘みが強めの醤油味です。飽きの来ない優しい味わいです。

【花りんご】

※写真は味噌味の「特製甘酒みそラーメン」です。甘酒がみそスープに甘みと旨みを加えます。なお、メニューには醤油味の「大鰐温泉もやしラーメン」などもあります。

(4)下風呂温泉と風間浦鮟鱇・大間まぐろ

【海峡の湯】
 
※「海峡の湯」様は下風呂温泉にある公衆浴場です。浴室の写真は「Amazing AOMORI」(青森県観光情報サイト)の無料写真ダウンロードにより入手したイメージ画像です。

風間浦村にある下風呂温泉では、風間浦鮟鱇と大間まぐろをお勧めいたします。

下北半島の風間浦沖では、鮟鱇が水揚げされます。
独特の地形と漁法により生きたまま水揚げされるため、生のまま刺身にして食べられるほど新鮮です。
漁期は11月頃~翌年6月頃ですが、12月頃~翌年3月頃の旬の時期が最も美味しいと言われています。
12月頃~翌年3月頃に水揚げされた鮟鱇のうち一定の基準を満たすものが、風間浦鮟鱇というブランド鮟鱇となります。
先日、「海峡の湯」様の中にある「下風呂おんせん食堂」様で、鮟鱇鍋をいただきました。

【鮟鱇鍋】

【鮟鱇ねぶた】

※「あさの食堂」様の店内にある鮟鱇ねぶたです。

そして、風間浦村の隣には大間町があり、大間町で水揚げされたまぐろが全国的に有名な大間まぐろという最高級のブランドまぐろです。
大間まぐろの猟期は8月頃~翌年1月頃であり、この時期には下風呂温泉の宿や食堂でも大間まぐろが提供されます。
先日、下風呂温泉にある「あさの食堂」様で、大間まぐろの刺身をいただきました。

【大間まぐろの刺身】

※赤身です。

【まぐろ一本釣の町おおま石像】

※本州最北端の地である大間崎にある大間まぐろのモニュメントです。

【海峡の湯】

 

※「海峡の湯」様は下風呂温泉にある公衆浴場です。浴室の写真は「Amazing AOMORI」(青森県観光情報サイト)の無料写真ダウンロードにより入手したイメージ画像です。

風間浦村にある下風呂温泉では、風間浦鮟鱇と大間まぐろをお勧めいたします。

下北半島の風間浦沖では、鮟鱇が水揚げされます。
独特の地形と漁法により生きたまま水揚げされるため、生のまま刺身にして食べられるほど新鮮です。
漁期は11月頃~翌年6月頃ですが、12月頃~翌年3月頃の旬の時期が最も美味しいと言われています。
12月頃~翌年3月頃に水揚げされた鮟鱇のうち一定の基準を満たすものが、風間浦鮟鱇というブランド鮟鱇となります。
先日、「海峡の湯」様の中にある「下風呂おんせん食堂」様で、鮟鱇鍋をいただきました。

【鮟鱇鍋】

【鮟鱇ねぶた】

※「あさの食堂」様の店内にある鮟鱇ねぶたです。

そして、風間浦村の隣には大間町があり、大間町で水揚げされたまぐろが全国的に有名な大間まぐろという最高級のブランドまぐろです。
大間まぐろの猟期は8月頃~翌年1月頃であり、この時期には下風呂温泉の宿や食堂でも大間まぐろが提供されます。
先日、下風呂温泉にある「あさの食堂」様で、大間まぐろの刺身をいただきました。

【大間まぐろの刺身】

※赤身です。

【まぐろ一本釣の町おおま石像】

※本州最北端の地である大間崎にある大間まぐろのモニュメントです。

(5)嶽温泉と嶽きみ

【「お山の駅 岩木さんぽ館」の足湯】

※嶽温泉の「お山の駅 岩木さんぽ館」敷地内にある足湯です。

弘前市にある嶽温泉では、嶽きみをお勧めいたします。
嶽きみとは、嶽温泉がある嶽地区で栽培・収穫される糖度約18度~20度のとても甘いブランドとうもろこしです。
昼夜の寒暖差が約10度という嶽高原の環境、そして良質の土壌が嶽きみの甘みと旨みを生み出します。
嶽きみは、8月頃~9月頃に収穫されます。
この時期には嶽温泉の宿や近郊の店舗などで嶽きみが提供されるほかに、嶽地区の道路沿いには嶽きみを販売する露店が立ち並び、通称「嶽きみロード」と呼ばれています。
先日、「嶽きみロード」を訪れ、「佐藤農園」様の露店で、朝に収穫したばかりの新鮮な生の嶽きみを贈答用に購入しました。

【朝採りの嶽きみ】

また、嶽温泉にある「田沢商店」様で嶽きみの焼きとうもろこしを購入し、朝食としていただきました。

【嶽きみの焼きとうもろこし】

【「お山の駅 岩木さんぽ館」の足湯】

※嶽温泉の「お山の駅 岩木さんぽ館」敷地内にある足湯です。

弘前市にある嶽温泉では、嶽きみをお勧めいたします。
嶽きみとは、嶽温泉がある嶽地区で栽培・収穫される糖度約18度~20度のとても甘いブランドとうもろこしです。
昼夜の寒暖差が約10度という嶽高原の環境、そして良質の土壌が嶽きみの甘みと旨みを生み出します。
嶽きみは、8月頃~9月頃に収穫されます。
この時期には嶽温泉の宿や近郊の店舗などで嶽きみが提供されるほかに、嶽地区の道路沿いには嶽きみを販売する露店が立ち並び、通称「嶽きみロード」と呼ばれています。
先日、「嶽きみロード」を訪れ、「佐藤農園」様の露店で、朝に収穫したばかりの新鮮な生の嶽きみを贈答用に購入しました。

【朝採りの嶽きみ】

また、嶽温泉にある「田沢商店」様で嶽きみの焼きとうもろこしを購入し、朝食としていただきました。

【嶽きみの焼きとうもろこし】

(6)まとめ

青森県は素敵な温泉地が数多くあるだけでなく、多種多様な食材の宝庫であると言えます。

温泉入浴だけでなく、その土地ならではの味覚もまた、温泉地を巡る楽しみのひとつです。

2 嶽温泉(その2)

嶽温泉は、「弁護士の日常コラム」では2回目のご紹介となります。

【嶽温泉】

2024年8月某日、嶽温泉を訪れ、「小島旅館」様に宿泊しました。
「小島旅館」様に宿泊するのは、今回が初めてでした。

【宿の外観】

まずは、温泉のご紹介をいたします。
脱衣所の掲示によると泉質は「酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物泉[硫化水素型](低張性酸性高温泉)」であり、「酸性泉」「硫黄泉」「塩化物泉」の効能を持ちます。
浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は、以下のとおりです。

【嶽温泉】

2024年8月某日、嶽温泉を訪れ、「小島旅館」様に宿泊しました。
「小島旅館」様に宿泊するのは、今回が初めてでした。

【宿の外観】

まずは、温泉のご紹介をいたします。
脱衣所の掲示によると泉質は「酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物泉[硫化水素型](低張性酸性高温泉)」であり、「酸性泉」「硫黄泉」「塩化物泉」の効能を持ちます。
浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は、以下のとおりです。

泉質別適応症 【酸性泉】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症
【硫黄泉】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害を加える)
【塩化物泉】
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
泉質別禁忌症 【酸性泉】
皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
【硫黄泉】
酸性泉と同じ
【塩化物泉】
なし

その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫黄泉」はメラニン色素の分解を促すシミ予防効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。
②「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。

【温泉】

※温泉の写真はスタッフの方の許可を得て撮影しました。

「小島旅館」様では、熱めの湯の浴槽とぬるめの湯の浴槽があり、交互に入浴することにより体がよく温まり、日頃の疲れが癒されました。
一泊二日の宿泊中に合計4回入浴し、硫黄泉の香りに包まれながら白濁の嶽温泉の名湯を楽しみました。

そして、「小島旅館」様のお食事は、地産品をふんだんに使ったお料理を美味しくいただきました。
夕食の御膳料理では、陶板焼き、土瓶蒸し、釜めしに舞茸が使われていました。
朝食は、津軽地方名物の貝焼き味噌を中心とする朝食膳でした。

【夕食】
 

 

【朝食】
 
※焼き魚は鮭です。

【温泉】

※温泉の写真はスタッフの方の許可を得て撮影しました。

「小島旅館」様では、熱めの湯の浴槽とぬるめの湯の浴槽があり、交互に入浴することにより体がよく温まり、日頃の疲れが癒されました。
一泊二日の宿泊中に合計4回入浴し、硫黄泉の香りに包まれながら白濁の嶽温泉の名湯を楽しみました。

そして、「小島旅館」様のお食事は、地産品をふんだんに使ったお料理を美味しくいただきました。
夕食の御膳料理では、陶板焼き、土瓶蒸し、釜めしに舞茸が使われていました。
朝食は、津軽地方名物の貝焼き味噌を中心とする朝食膳でした。

【夕食】

 

 

 

 
【朝食】

 

※焼き魚は鮭です。

3 温泉地と伝統工芸

(1)はじめに

青森県では、県内の各地に様々な伝統工芸が数多く存在します。

以下では、青森県の温泉地と結び付きの強い伝統工芸をピックアップしてご紹介いたします。

(2)温湯温泉と温湯こけし・ずぐり

【鶴の名湯】

※「鶴の名湯」様は温湯温泉にある公衆浴場です。

温湯温泉ゆかりの伝統工芸として、温湯こけし・ずぐりがあります。

【温湯こけし】

※温湯こけしの写真は黒石市にある「津軽こけし館」内の展示品です。

こけしは、江戸時代の後期頃から、東北地方の温泉地で湯治客に土産物として売られるようになりました。
ろくろを用いて椀や盆などの木工品を作る木地師たちは、もともとは定住せずに木を求めて移動するのが習わしでしたが、湯治旅館などで使用する木製食器の需要が増えたため、湯治場に定住するようになりました。
そして、湯治客が子ども(孫)に贈る土産として、こけしが作られるようになったのです。

このような伝統的なこけしは、東北地方各地の温泉地で見られますが、温湯温泉が津軽系のこけしの発祥の地として知られています。

【温湯ずぐり】
 
※温湯ずぐりの写真は「津軽伝承工芸館」(「津軽こけし館」に隣接)内にあるこけし販売店「こけし工房tsuN’agaru」様で陳列されていた商品および説明書きです。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

また、ずぐりとは津軽地方の伝統の独楽(こま)のことであり、雪の上でも回るように丸みを帯びた形で軸が太く作られています。
ずぐりもまた、こけしと同じく、子ども向けに格好の玩具です。
ずぐりは、こけしよりも先に製作が始まったとされています。

【鶴の名湯】

※「鶴の名湯」様は温湯温泉にある公衆浴場です。

温湯温泉ゆかりの伝統工芸として、温湯こけし・ずぐりがあります。

【温湯こけし】

※温湯こけしの写真は黒石市にある「津軽こけし館」内の展示品です。

こけしは、江戸時代の後期頃から、東北地方の温泉地で湯治客に土産物として売られるようになりました。
ろくろを用いて椀や盆などの木工品を作る木地師たちは、もともとは定住せずに木を求めて移動するのが習わしでしたが、湯治旅館などで使用する木製食器の需要が増えたため、湯治場に定住するようになりました。
そして、湯治客が子ども(孫)に贈る土産として、こけしが作られるようになったのです。

このような伝統的なこけしは、東北地方各地の温泉地で見られますが、温湯温泉が津軽系のこけしの発祥の地として知られています。

【温湯ずぐり】

 

※温湯ずぐりの写真は「津軽伝承工芸館」(「津軽こけし館」に隣接)内にあるこけし販売店「こけし工房tsuN’agaru」様で陳列されていた商品および説明書きです。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

また、ずぐりとは津軽地方の伝統の独楽(こま)のことであり、雪の上でも回るように丸みを帯びた形で軸が太く作られています。
ずぐりもまた、こけしと同じく、子ども向けに格好の玩具です。
ずぐりは、こけしよりも先に製作が始まったとされています。

(3)大鰐温泉と大鰐こけし・ずぐり

大鰐温泉ゆかりの伝統工芸として、大鰐こけし・ずぐりがあります。

【大鰐こけし・ずぐり】

※大鰐こけし・ずぐりの写真は「鰐cоme」内にある売店「メルカート」様で陳列されていた商品です。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

明治時代の初期に温湯温泉から大鰐温泉に移住した木地師たちが、大正時代にこけしを作るようになったのが大鰐こけしの始まりです。

【大鰐こけし・ずぐり】

※大鰐こけし・ずぐりの写真は「鰐cоme」内にある売店「メルカート」様で陳列されていた商品です。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

明治時代の初期に温湯温泉から大鰐温泉に移住した木地師たちが、大正時代にこけしを作るようになったのが大鰐こけしの始まりです。

下記のとおり、伝統的なこけしは、東北地方各地に12系統あります。
温湯温泉および大鰐温泉で作られる津軽系のこけしは、製作技法は一本の木から作る「作りつけ」(他の系統では、頭と胴体と別々に作って接続する「はめ込み」「差し込み」という製作技法で作られるものもあります)、髪型はおかっぱ頭が多く、形はくびれ胴・裾広がり・直胴などがあり、模様はだるま絵・牡丹の花・アイヌ模様・アヤメ模様などがあります。
伝統的なこけしは系統により様々な特徴がありますが、津軽系のこけしは比較的歴史が浅く、そのため表現様式が多様であり、色々な型や模様があるのが特徴です。

【伝統こけしの12系統】
青森県-①津軽系
岩手県-②南部系
秋田県-③木地山系
宮城県-④鳴子系、⑤苅遠田系、⑥弥治郎系、⑦作並系
山形県-⑧山形系、⑨肘折系、⑩蔵王高湯系
福島県-⑪土湯系、⑫中ノ沢系

(4)嶽温泉とあけび蔓細工

嶽温泉ゆかりの伝統工芸として、あけび蔓(つる)細工があります。

【あけび蔓細工】

※先日購入したあけび蔓細工の手提げ籠です。風呂道具入れとして使用しております。下風呂温泉の海辺で撮影しました。

あけび蔓細工とは、付近の山々に自生するあけびの蔓を採取し、編み上げて作る民芸品です。
嶽温泉では、江戸時代の末に湯治客の土産物として炭籠・手提げ籠などが作られるようになりました。
あけび蔓細工は秋田・山形・長野などでも製作されており、岩木山麓に湯治に訪れた会津の浪士によって、その技術が伝えられたと言われています。

【あけび蔓細工】

※先日購入したあけび蔓細工の手提げ籠です。風呂道具入れとして使用しております。下風呂温泉の海辺で撮影しました。

あけび蔓細工とは、付近の山々に自生するあけびの蔓を採取し、編み上げて作る民芸品です。
嶽温泉では、江戸時代の末に湯治客の土産物として炭籠・手提げ籠などが作られるようになりました。
あけび蔓細工は秋田・山形・長野などでも製作されており、岩木山麓に湯治に訪れた会津の浪士によって、その技術が伝えられたと言われています。

(5)まとめ

伝統工芸は風土、生活の中で培われ、古くから受け継がれてきた地域の宝です。

温泉地に出掛ければその土地の伝統工芸に触れる機会も多く、これもまた温泉巡りの楽しみのひとつであると言えるでしょう。

4 温湯温泉

温湯温泉は、黒石市にある温泉であり、黒石温泉郷に属します。
古くからの湯治場として、温泉街を形成しています。
開湯は四百数十年前であるとされ、足が折れた鶴が傷を癒して飛び立ったという伝説があります。
「ぬるゆ」と読みますが、泉温が低い(ぬるい)わけではなく、温もり(ぬくもり)を長く保つことから温湯と呼ばれるようになりました。

【温湯温泉】

2024年8月某日、温湯温泉を訪れました。
温湯温泉に来るのは今回が初めてであり、「飯塚旅館」様に宿泊しました。

【宿の外観】

「飯塚旅館」様は大正時代に建造された重厚感のある木造建築であり、格調高く長い歴史を感じさせる建物です。

「飯塚旅館」様に到着すると、まずは温泉入浴を楽しみました。
脱衣所の掲示によると泉質は「ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。

【温湯温泉】

2024年8月某日、温湯温泉を訪れました。
温湯温泉に来るのは今回が初めてであり、「飯塚旅館」様に宿泊しました。

【宿の外観】

「飯塚旅館」様は大正時代に建造された重厚感のある木造建築であり、格調高く長い歴史を感じさせる建物です。

「飯塚旅館」様に到着すると、まずは温泉入浴を楽しみました。
脱衣所の掲示によると泉質は「ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。

泉質別適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
泉質別禁忌症 なし

その他、以下のような効能があるとされています。
①「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。
②アルカリ性・弱アルカリ性の温泉は、古い角質を除去する美肌効果があるとされています。

【温泉】

※温泉の写真は「Amazing AOMORI」(青森県観光情報サイト)の無料写真ダウンロードにより入手したイメージ画像です。

「飯塚旅館」様の湯は色が無色透明であり、少しヌルヌル感のある湯ざわりでした。
ひのき風呂での温泉入浴をゆっくりと楽しみ、安らぎのひと時を過ごしました。

そして、「飯塚旅館」様のお食事は、夕食には青森県産牛の陶板焼きなど地元の食材をふんだんに使用した和食膳、朝食には健康的な朝食膳を美味しくいただきました。

【夕食】
 
※焼き魚は鮎の塩焼きです。

【朝食】

※焼き魚は鮭です。

【温泉】

※温泉の写真は「Amazing AOMORI」(青森県観光情報サイト)の無料写真ダウンロードにより入手したイメージ画像です。

「飯塚旅館」様の湯は色が無色透明であり、少しヌルヌル感のある湯ざわりでした。
ひのき風呂での温泉入浴をゆっくりと楽しみ、安らぎのひと時を過ごしました。

そして、「飯塚旅館」様のお食事は、夕食には青森県産牛の陶板焼きなど地元の食材をふんだんに使用した和食膳、朝食には健康的な朝食膳を美味しくいただきました。

【夕食】

 

※焼き魚は鮎の塩焼きです。

【朝食】

※焼き魚は鮭です。

5 温泉地と文学

(1)はじめに

温泉は古くからの日本の文化であり、文学とも深い繋がりがあります。

以下では、青森県の「温泉地と文学」と題し、ご説明いたします。

(2)文学紀行-青森県の名湯

先日、弘前市立郷土文学館を訪れ、企画展「文学紀行-青森県の名湯」を観覧しました。

【文学紀行-青森県の名湯】

幸田露伴、田山花袋、若山牧水、竹久夢二など、明治以降に著名な文人たちが青森県の温泉地を訪れ、その魅力を書き綴ってきました。
「文学紀行-青森県の名湯」は、これらの文人たちの作品を通じて、県内各地の温泉地の魅力に迫るものとなっています。

なお、「文学紀行-青森県の名湯」の開催時期は、2024年4月1日~2025年3月21日です。

【文学紀行-青森県の名湯】

幸田露伴、田山花袋、若山牧水、竹久夢二など、明治以降に著名な文人たちが青森県の温泉地を訪れ、その魅力を書き綴ってきました。
「文学紀行-青森県の名湯」は、これらの文人たちの作品を通じて、県内各地の温泉地の魅力に迫るものとなっています。

なお、「文学紀行-青森県の名湯」の開催時期は、2024年4月1日~2025年3月21日です。

(3)青森県の温泉地を舞台とする文学作品

青森県の温泉地が舞台となった文学作品は、数多くあります。

以下では、今回の「弁護士の日常コラム」でご紹介した嶽温泉と温湯温泉を舞台とする文学作品の作品名と著者をご紹介いたします。

【嶽温泉】
幸田露伴「易心後語」
河東碧梧桐「陸奥中津軽郡嶽温泉」
大町桂月「岩木山」
石坂洋次郎「山の湯」
前川千帆「岳と湯段 落合と板留」
成田憲三「嶽温泉附近」

【温湯温泉】
河東碧梧桐「陸奥板留温泉」
大町桂月「黒石街道」

嶽温泉と温湯温泉以外にも、大鰐温泉、碇ヶ関温泉、板留温泉、青荷温泉、温川温泉、湯段温泉、岩木温泉、浅虫温泉、馬門温泉、酸ヶ湯温泉、田代元湯、蔦温泉、下風呂温泉、薬研温泉、湯野川温泉、恐山温泉など、県内各地の温泉地が多くの文学作品の舞台となっています。

(4)文学作品に描かれる青森県の名湯

以下では、文学作品の中で描かれる青森県の温泉をピックアップしてご紹介いたします。

【下風呂温泉と井上靖「海峡」】
“ああ、湯が滲みて来る。本州の、北の果ての海つぱたで、雪降り積る温泉旅館の浴槽に沈んで、俺はいま硫黄の匂いを嗅いでいる。なぜこんなところへ来たのだ。美しい姫の幻影を洗い流すために、俺はやつて来たのだ。
杉原は詩人になつていた。宏子のことを姫と言つたのは、必ずしも誇張ではなかつた。下北半島の突端で東京の宏子のことを考えると、宏子はこの世の人とは思われぬ高貴な一人の姫君に思われた。
庄司は庄司で、彼もまたある感慨を持つていた。
「人間というものはおかしなものですな。一昨日東京に居たと思つた人間が今日は何百キロ離れたところに居る。われわれはいま、最北端の下風呂温泉につかつている。が、あさつてはまた東京へ舞い戻つている」”
※「海峡」は井上靖の長編小説です。下北半島を舞台に様々な人間が織りなす愛の交錯を描いた作品です。

【湯野川温泉と水上勉「飢餓海峡」】
“卵型の大小の石が檜皮の傾斜に無数に敷きならべてある。その屋根は、ひしゃげたようにかたむいている。くさりかけた箱のような湯煙の出口が、ぽつんと離れて二つとりつけてある。そこから白い湯気が棒のように出ていた。平家の浴室は湯野川村が経営する共同浴場である。粗末な松板を釘で打ちつけただけの建物だ。中へ入ると、広い湯船があり、澄んだ湯があふれていた。誰も人影はなかった。(中略)
窓のこわれた、四角い穴が板屋の上にあいている。ここで母の折れ曲った足を八重は何ども洗ってやったことを思いだすのである。ずいぶんうす暗かった。真上の煙ぬきの穴から落ちてくる光線が、湯をすき通らせている。”
※「飢餓海峡」は水上勉の長編推理小説です。下北半島が舞台となりました。過去に映画・テレビドラマ・舞台が制作されています。

【酸ヶ湯温泉と松本清張「白い闇」】
“「酸ヶ湯でしょう」
「そう、疲れたわ」
信子は指で頭を押さえた。
「その温泉で泊りたいわ。今夜は」
俊吉は、信子の方を見たが急に微笑していた。(中略)
酸ヶ湯は山に囲まれた窪地のような所にあった。大きいが鄙びて古い宿である。これが一軒しかないのである。通された部屋に、明治の文人大町桂月の書が掲げてあった。
風呂は広い浴場で男女一しょだというので信子は遠慮した。俊吉は、さっさと湯に入った。
「硫黄の匂いが強い湯ですよ」
やがて濡れた手拭いをぶら下げて戻ると、俊吉はそんなことを明るく言った。”
※「白い闇」は松本清張の短編小説です。十和田湖が舞台となった推理小説であり、過去にテレビドラマ化されています。

【蔦温泉と林芙美子「山中歌合」】
“風呂場まで、弾けるやうな笑ひ声が聞えて来た。山の中の人間は、どうしてあんなに笑つてばかりゐるのかと、浴槽につかりながら、弟は呆れてしまつて眉を顰めてゐた。湯槽は昔ながらの板づくりで、浴槽の底には勿体ないやうな角材が何本も埋めてあつた。風呂場は二十坪位もあつて道場のやうに広々としてゐる。樋からは山水が出つ放しで、一寸触れると手がぴりつとする程冷たかつた。
川魚を焼く香ばしい匂ひがたゞようて来る。月夜だつたら、どんなにか申し分のないだらう大きな窓がある。流しの床は、苔でぬらぬらして肌に柔い。燈火が暗いせゐか、弟は、何となく情人のふくらみのある体を考へてゐた。”
※「山中歌合」は林芙美子の短編小説です。様々な人物が登場し、蔦温泉での一日が描かれています。

以上でご紹介したのは、青森県の温泉が登場する多くの文学作品のうちのごく一部です。
青森県の温泉が詩情豊かな文章で描かれており、心にしみるものがあります。

(5)まとめ

以上のように、青森県には文学ゆかりの温泉地が数多くあり、県内各地の温泉地を訪れると文学碑もよく見かけます。

【井上靖の文学碑】

※風間浦村下風呂海峡いさりび公園にある井上靖の文学碑です。

青森県の温泉地は、多くの文人たちからも愛されてきた地域の宝であると言えるでしょう。

【井上靖の文学碑】

※風間浦村下風呂海峡いさりび公園にある井上靖の文学碑です。

青森県の温泉地は、多くの文人たちからも愛されてきた地域の宝であると言えるでしょう。

6 平舘不老ふ死温泉

平舘不老ふ死温泉は、外ヶ浜町にある温泉です。
約300年の歴史があり、津軽半島で最古の温泉であるとされています。

2024年8月某日、平舘不老ふ死温泉を訪れました。
平舘不老ふ死温泉に来るのは今回が初めてであり、温泉名と同名の一軒宿である「平舘不老ふ死温泉」様に宿泊しました。
数十年前からあるこの宿は、前経営者の高齢化・後継者不在という問題を抱えていましたが、2023年に常連客であった現女将に事業承継され存続が可能となりました。

【宿の外観】

まずは、温泉をご紹介いたします。
脱衣所の掲示によると泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(低張性アルカリ性温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。

【宿の外観】

まずは、温泉をご紹介いたします。
脱衣所の掲示によると泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(低張性アルカリ性温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。

泉質別適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
泉質別禁忌症 なし

その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫酸塩泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。
②「硫酸塩泉」は肌を蘇生する美肌効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。
③アルカリ性の温泉は、古い角質を除去する美肌効果があるとされています。

「平舘不老ふ死温泉」様の湯は、無色透明のヌルヌル感のある浴感でした。
体がよく温まる良質の温泉であり、のんびりと温泉入浴を楽しみました。

なお、温泉(浴室)の写真は「平舘不老ふ死温泉」様の公式サイトをご覧ください。

そして、「平舘不老ふ死温泉」様のお食事は、津軽海峡の海の幸を中心とするお料理を美味しくいただきました。
特に夕食は品数が豊富で豪華な内容となっており、大満足でした。

【夕食】
 

 
※焼き魚は真鯛です。

【朝食】

【夕食】

 

 

 

※焼き魚は真鯛です。

【朝食】

7 温泉宿の後継者問題

近年、少子高齢化の加速、事業の将来性の不安、親族内承継の減少などの要因により、事業者の後継者問題が深刻になっています。
温泉宿についてもその例外ではなく、後継者がいないことから閉業せざるを得なくなる温泉宿も少なくありません。

青森県でも、近年、平川市の古遠部温泉と、今回の「弁護士の日常コラム」でご紹介した外ヶ浜町の平舘不老ふ死温泉で後継者問題がありましたが、いずれも後継者が見つかり存続できることとなりました。

従来の温泉宿の経営には、様々な課題があるとされています。
温泉宿は収益性の低い家族経営であることも多く、設備の維持管理にも多額の費用がかかります。
借入金に依存する割合も高く、近年では求人難にも直面するなど、楽な経営状況ではありません。
バブル景気の終焉後は企業の社員旅行も大幅に減少し、大型化した温泉宿では経営に行き詰まる例も多く発生しています。

少子高齢化と長期不況の時代において、温泉宿の経営の引き継ぎ・存続に困難が降りかかることは、必然とも言えるのかもしれません。

このような現状において、前述の古遠部温泉や平舘不老ふ死温泉のように家族外の後継者が現れ存続される事例があるほかに、大手グループや外資系ファンドに経営が移る事例なども見られます。
また、閉業した温泉宿を引き継いだ若手経営者が、伝統的なスタイルと新たなサービスを組み合わせ、温泉宿あるいは地域の集客施設として再興させる事例なども出ています。

近年はインバウンド観光需要の増加に対する期待もある反面、収益性の低い家業を脱し企業経営に転換する必要があるという意見もあり、温泉経営にとって重要な転換期にあるのかもしれません。
温泉を愛する者の一人として、多くの温泉宿が末永く存続することを願ってやみません。

8 おわりに

今回は、青森県の3つの温泉のご紹介と、温泉に関する様々な話題についてお話しさせていただきました。

温泉に関する日常コラムは、2024年中にあと3件の記事を執筆し、一段落とする予定です。

記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2024年8月29日

※本コラムの記事内容は、記事更新日時点の法令・指針および温泉分析書の掲示等に基づくものです。記事更新日以降に法令・指針の改正・改訂および温泉成分の再分析等、その他事情の変更があった場合でも、記事内容の加筆・修正等を行うことは予定しておりません。あらかじめ、ご了承ください。

温泉記事の一覧

【執筆者:代表弁護士・木村哲也】

番号 年月日 タイトル 内容
13 2024.10.23 代表弁護士の温泉紀行⑬ 青森県の温泉その13
【温泉紹介】
①大鰐温泉(その2)、②酸ヶ湯温泉(その2)、③梅沢温泉
【温泉解説】
①温泉入浴と運動・食事・飲酒、②温泉と文化財、③蒸し湯、④泉質別の特徴と効能
12 2024.9.27 代表弁護士の温泉紀行⑫ 青森県の温泉その12
【温泉紹介】
①板留温泉、②落合温泉、③下風呂温泉(その2)、④新大秋温泉
【温泉解説】
①温泉番付、②美人の湯、③子宝の湯、④湯めぐり、⑤温泉ソムリエマスター(その2)
11 2024.8.29 代表弁護士の温泉紀行⑪ 青森県の温泉その11
【温泉紹介】
①嶽温泉(その2)、②温湯温泉、③平舘不老ふ死温泉
【温泉解説】
①温泉地と名物グルメ、②温泉地と伝統工芸、③温泉地と文学、④温泉宿の後継者問題
10 2024.7.19 代表弁護士の温泉紀行⑩ 青森県の温泉その10
【温泉紹介】
①稲垣温泉、②五戸まきば温泉、③南田温泉
【温泉解説】
①温泉権、②温泉地役権、③温泉環境権、④宇奈月温泉事件
2024.7.2 代表弁護士の温泉紀行⑨ 青森県の温泉その9
【温泉紹介】
①古遠部温泉、②相乗温泉、③寒水沢温泉
【温泉解説】
①温泉偽装問題とは、②温泉偽装問題の影響、③近時の不祥事事例①温泉表示問題、④近時の不祥事事例②温泉の衛生問題
2024.6.19 代表弁護士の温泉紀行⑧ 青森県の温泉その8
【温泉紹介】
①百沢温泉、②三本柳温泉、③みちのく深沢温泉
【温泉解説】
①かけ流し・循環のメリット・デメリット、②入浴前に体を洗うか?かけ湯をするだけか?、③頭にタオルを乗せる理由、④内風呂と露天風呂ではどちらに先に入るか?
2024.6.5 代表弁護士の温泉紀行⑦ 青森県の温泉その7
【温泉紹介】
①古牧温泉、②浅虫温泉(その2)、③湯野川温泉
【温泉解説】
①入湯税と物価統制令、②温泉地の景観計画・景観形成、③飲泉、④温泉利用基準(水質基準を中心に)
2024.5.23 代表弁護士の温泉紀行⑥ 青森県の温泉その6
【温泉紹介】
①青荷温泉、②蔦温泉、③猿倉温泉
【温泉解説】
①温泉入浴の効果、②温泉入浴の3大効果、③効果的な温泉入浴の回数、④温泉ソムリエマスター
2024.5.9 代表弁護士の温泉紀行⑤ 青森県の温泉その5
【温泉紹介】
①大鰐温泉、②薬研温泉、③奥薬研温泉、④恐山温泉
【温泉解説】
①温泉法が定めるルール、②公衆浴場法・旅館業法が定めるルール、③温泉の表示に関するルール、④温泉の衛生管理に関するルール、⑤温泉経営における法務リスク
2024.4.17 代表弁護士の温泉紀行④ 青森県の温泉その4
【温泉紹介】
①嶽温泉、②湯段温泉、③城ヶ倉温泉
【温泉解説】
①環境省「令和4年度温泉利用状況」、②嶽温泉の源泉問題、③基本的な入浴法(全身浴・半身浴・足浴など)、④入浴事故を防止するための入浴法
2024.4.3 代表弁護士の温泉紀行③ 青森県の温泉その3
【温泉紹介】
①黄金崎不老ふ死温泉、②鯵ヶ沢温泉、③上北さくら温泉、④東北温泉
【温泉解説】
①温泉の色、②湯の花、③温泉のにおい、④温泉の湯ざわり、⑤温泉の温度
2024.3.26 代表弁護士の温泉紀行② 青森県の温泉その2
【温泉紹介】
①下風呂温泉、②酸ヶ湯温泉、③奥入瀬渓流温泉
【温泉解説】
①天然温泉と人工温泉、②温泉はどうやってできるか?、③源泉・元湯・引湯・かけ流し・循環について、④温泉ソムリエ検定
2024.2.6 代表弁護士の温泉紀行① 青森県の温泉その1
【温泉紹介】
①浅虫温泉、②谷地温泉
【温泉解説】
①温泉とは、②温泉むすめ、③温泉ソムリエ

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