代表弁護士で温泉ソムリエの木村哲也です。

最近の休日は、青森県内各地の温泉によく足を運んでいます。

今回の日常コラムでは、温泉に関する様々な知識・情報と、最近訪れた青森県内の温泉のご紹介を中心にお話させていただきます。

【目次】
1 温泉入浴の効果
2 青荷温泉
3 温泉入浴の3大効果
(1)物理効果
(2)薬理効果
(3)転地効果
4 蔦温泉
5 効果的な温泉入浴の回数
6 猿倉温泉
7 温泉ソムリエマスター
8 おわりに

1 温泉入浴の効果

温泉入浴には、様々な効果があります。

温泉入浴の3大効果として(1)物理効果、(2)薬理効果、(3)転地効果がありますが、これらについては後述いたします。

【入浴による消費カロリー】

入浴による消費カロリーは意外に大きく、運動および主食の消費・摂取カロリーと比較して、次のように整理することができます(ただし、年齢・性別・体型・体質などの条件により異なりますので、あくまで目安の数値となります)。

40度の風呂での入浴(全身浴)10分間 40kcal
ウォーキング(やや早歩き)10分間 40kcal
42度の風呂での入浴(全身浴)10分間 80kcal
ジョギング10分間 80kcal
ご飯1杯(おにぎり1個) 160kcal

健康増進のためには、運動によるカロリー消費と摂取カロリーのバランスを考えることが推奨されます。
そして、例えば、運動ができなかった日には入浴をいつもより1回多くし、食事の量を少し減らすなどのバランスのとり方が考えられるでしょう。

入浴だけに偏るような健康法・減量法は好ましくありませんが、入浴と運動を組み合わせることにより効果が期待できます。
入浴・運動・食事のバランスをとることが大切です。

【入浴による発汗】

入浴をすると発汗が起こります。
汗により排出される老廃物は1日で0.02%に過ぎず、発汗自体にデトックス効果はあまりありません。
しかし、現代人は汗をかくことが少なくなっており、汗腺の退化により悪い汗のかき方になっていると言われています。
悪い汗というのは、汗腺の機能の衰えのために体に必要なミネラルも多く排出するような汗であり、蒸発しにくいために発汗の本来の目的である体温調整にも支障をきたすという意味です。
ですので、運動不足であれば、入浴により発汗することには、汗腺の働きを活発にして機能改善を促すという意味があります。

一方で、入浴による発汗は、入浴疲労(入浴による疲れ)に繋がるものです。
そのため、朝の入浴、高齢者の入浴、運動前の入浴では、入浴疲労を起こす前に、額が汗ばむ程度で風呂上りとするようにしましょう。

【温泉の抗酸化作用】

温泉水(水)の評価法として、ORP(Oxidation-Reduction Potential:酸化還元電位)法というものがあります。
ORPとは、酸化させる力と還元させる力の差を電位差で表した数値です。
そして、酸化とは鉄などの金属が酸素と反応して錆びる作用、還元とは酸化した金属から酸素を奪って錆を元に戻す作用です。

人間の体も年齢とともに酸化し錆びていくことが知られており、その錆びさせる原因に活性酸素がある、と聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
簡易的な説明にとどめますが、ORP法により水が酸化系あるいは還元系の状態にあるかが判別可能になります。
そして、還元系の温泉水に継続的に入浴することにより、活性酸素を除去し加齢に伴う生体の酸化を防止することから、アンチエイジング効果が期待できるとされています。

なお、還元・抗酸化作用については、水素水の飲用が一般に知られています。

ORP法により、次のような事項が明らかになっています。

①新鮮な温泉水(湧出したばかりの温泉水)は還元系である。
②新鮮な温泉水も時間経過により酸化し、劣化が進行していく。
③皮膚も還元系であり加齢により酸化していくが、還元系の温泉水に継続的に入浴することにより劣化を抑制することができる。
④皮膚のシミ・ソバカスや日焼けなどによる色素沈着の原因物質となるメラニンの生成反応は酸化反応であり、還元系の温泉水に入浴することによりメラニン生成が抑制され美白効果に繋がる。
⑤温泉水を塩素消毒することにより、還元系から酸化系に変質させる。

ORP法を実際的に理解し応用するためには、ORPの測定法やデータの解析法を学ぶ必要があります。
ここでの説明は、この程度にとどめさせていただきますが、一点だけ付言いたします。
遊離硫化水素の含有量が多いなど温泉の中には鮮度優先よりも空気に長時間触れさせた方がよいものもあり、高温の温泉は時間をかけて適温にする必要があるというように、ORPを絶対の指標とすることは適切ではないと考えられます(源泉の温泉の状態と浴槽内の温泉の状態の差を把握するものと考える程度でよいと思われます)。

2 青荷温泉

青荷温泉は、黒石市の黒石温泉郷にある温泉です。
南八甲田連峰の山深く、青荷渓谷の渓流沿いにあります。
青荷温泉の歴史は、1929年(昭和4年)、黒石温泉郷にある板留温泉の旅館を実家とする歌人の丹羽洋岳が小屋を建てて暮らすようになったことに始まります。

2024年3月某日、初めて青荷温泉を訪れ、一軒宿の「ランプの宿 青荷温泉」様に宿泊しました。

【宿の外観】
 

「ランプの宿 青荷温泉」様では、館内の客室や風呂場などは灯油ランプだけで照らされ、山奥にあるため携帯電話による通話やインターネットの利用はできません(Wi‐Fiもありません)。
客室に電源コンセントはなく、テレビ・ラジオの視聴もできないため、ひたすらのんびり、ゆっくりと過ごすことになります。

【宿の館内】

「ランプの宿 青荷温泉」様は、情緒あふれる木造の建物が素晴らしく、渓流のせせらぎの音が気持ちよく心を癒してくれます。
ランプの薄明りの中で、静かに時が流れていきます。

【宿の外観】


「ランプの宿 青荷温泉」様では、館内の客室や風呂場などは灯油ランプだけで照らされ、山奥にあるため携帯電話による通話やインターネットの利用はできません(Wi‐Fiもありません)。
客室に電源コンセントはなく、テレビ・ラジオの視聴もできないため、ひたすらのんびり、ゆっくりと過ごすことになります。

【宿の館内】

「ランプの宿 青荷温泉」様は、情緒あふれる木造の建物が素晴らしく、渓流のせせらぎの音が気持ちよく心を癒してくれます。
ランプの薄明りの中で、静かに時が流れていきます。

「ランプの宿 青荷温泉」様に到着すると、まずは温泉を楽しみました。
「ランプの宿 青荷温泉」様の館内掲示によると、温泉の泉質は「単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)」です。
浴用の適応症・禁忌症は、以下のとおりです。

※本コラムにおける泉質名および適応症・禁忌症の記載は、平成26年7月1日改訂「鉱泉分析法指針」によります。

【浴用の適応症】

一般的適応症 筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症 自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

【浴用の禁忌症】

一般的禁忌症 病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
泉質別禁忌症 なし

その他、アルカリ性・弱アルカリ性の温泉は、古い角質を除去する美肌効果があるとされています。

【温泉】
  

 
※温泉の写真はスタッフの方の許可を得て撮影しました。

「ランプの宿 青荷温泉」様の温泉は、「健六の湯」「露天風呂」「本館内湯」「滝見の湯」という4つの風呂で楽しむことができます。
豊かな自然を眺めながら湯めぐりをし、青荷温泉の秘湯をたっぷりと堪能しました。

そして、「ランプの宿 青荷温泉」様のお食事は、旬の山菜・川魚など山川の恵みを使った田舎料理を楽しみました。
特に夕食は食堂でランプの薄明りに照らされながらのお食事であり、とても風情を感じました。

【夕食】
 
※焼き魚の写真は、岩魚の塩焼きです。

【朝食】
 

【温泉】







※温泉の写真はスタッフの方の許可を得て撮影しました。

「ランプの宿 青荷温泉」様の温泉は、「健六の湯」「露天風呂」「本館内湯」「滝見の湯」という4つの風呂で楽しむことができます。
豊かな自然を眺めながら湯めぐりをし、青荷温泉の秘湯をたっぷりと堪能しました。

そして、「ランプの宿 青荷温泉」様のお食事は、旬の山菜・川魚など山川の恵みを使った田舎料理を楽しみました。
特に夕食は食堂でランプの薄明りに照らされながらのお食事であり、とても風情を感じました。

【夕食】



※焼き魚の写真は、岩魚の塩焼きです。

【朝食】


3 温泉入浴の3大効果

温泉入浴には(1)物理効果、(2)薬理効果、(3)転地効果という効果があり、これらは温泉入浴の3大効果と呼ばれています。
また、(1)物理効果は、①温熱効果、②水圧効果、③浮力効果、④粘性効果に細分化されます。
以下では、温泉入浴の3大効果について、ご説明させていただきます。

(1)物理効果

①温熱効果
体が温まることにより血管が広がり、血行が促進されます。
新陳代謝が高まり、体内の不要物の排泄が促されます。
なお、入浴中の死亡事故は42度以上の熱い風呂で多く発生しているため、注意が必要です。

②水圧効果
身体の表面に水圧がかかることにより、内臓が刺激を受けます。
また、手足の血管が水圧により細くなり、血液が心臓に向かって押し上げられます(ポンプアップ効果)。
これにより、全身の血行改善やむくみ解消につながります。
全身浴では心臓への負担が大きいのですが(全身浴では、体の表面積全体で500kg以上の水圧がかかります)、半身浴や足浴では心臓への負担が少なくなります。
また、温熱効果と水圧効果により、「ナトリウム利尿ホルモン(心房性ナトリウム利尿ペプチド)」が刺激され、利尿効果が高まることから、入浴にはデトックス効果があると言えます。

③浮力効果
全身浴では、体重は約10分の1に感じられるようになります。
浮遊感によりリラックスした状態になりやすいです。

④粘性効果
水中で体を動かそうとすると、水(湯)の粘性抵抗により、普段よりも大きな負荷がかかります。
水中では粘性抵抗により転倒しにくいため、水中運動はリハビリテーションにも利用されています。
また、水中での運動は、粘性抵抗により運動効果が高まることから、トレーニングにもなります。

(2)薬理効果

温泉入浴により、温泉の成分を皮膚から吸収することにより得られる効果です。

泉質により、その効果は異なります。

(3)転地効果

普段と異なる環境の温泉地に行くことにより五感が刺激され、ストレスの解消や精神疲労・体調不良の改善につながります。

転地効果は5~6日で活発になり、1か月を過ぎると薄れると言われています。
1泊2日でも転地効果は得られますが、滞在の方が効果は高いです。

【海の温泉地】
波の音(「1/fのゆらぎ」が心を癒す)、潮風(「海塩粒子」が体を活性化させる)などによる癒し効果を得ることができます。
海の特性により心身を癒す方法のことを「タラソテラピー」と言います。
タラソテラピーとは、海水・海藻・海泥など海のあらゆる資源を利用して美容・健康効果を得ることを意味し、海水入浴により海水に含まれるミネラルなどの栄養素を体に取り込むことや、海藻・海泥を肌に塗る美容法などがあります。
また、上記のように、海辺の環境の特性から癒し効果を得ることもまた、タラソテラピーに含まれます。

【山・高原の温泉地】
標高300m~800m(空気が澄んでいる)の森林の多いところ(森林の風景・香りによるリラックス効果を得られる。森林浴効果をもたらす森の香り成分を「フィトンチッド」と言います)は転地効果が高いです(今回ご紹介する青荷温泉は標高400m、蔦温泉は標高470m、猿倉温泉は標高850mであり、いずれも森林の多い環境です)。
一方で、標高が1000mを超えると心臓に負荷がかかるため、特に高血圧症の人には向きません。
また、川が流れているところでは、川のせせらぎ(「1/fのゆらぎ」が心を癒す)による癒し効果を得ることができます(青荷温泉は渓流沿いにあり、川のせせらぎが聞こえる環境です)。

4 蔦温泉

蔦温泉は、十和田市にある温泉です。
八甲田山中に位置し、1147年(久安3年)には、すでにこの地に湯治小屋があったことが文献に残っています。
「千年の秘湯」が蔦温泉のキャッチコピーです。
温泉名の由来は、木に絡むツタ植物が豊富にあったことから、であると考えられています(その他、諸説あり)。
明治時代の紀行作家である大町桂月や、プロレスラーであり参議院議員を2期務めたアントニオ猪木が愛し、彼らの墓があることも知られています。

2024年4月某日、初めて蔦温泉を訪れ、一軒宿の「蔦温泉旅館」様に宿泊しました。

【宿の外観】

まずは、「蔦温泉旅館」様の温泉について、ご紹介いたします。
「蔦温泉旅館」様の館内掲示によると、温泉の泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)」です。
浴用の適応症・禁忌症は、以下のとおりです。

【宿の外観】

まずは、「蔦温泉旅館」様の温泉について、ご紹介いたします。
「蔦温泉旅館」様の館内掲示によると、温泉の泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)」です。
浴用の適応症・禁忌症は、以下のとおりです。

【浴用の適応症】

一般的適応症 筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症 【硫酸塩泉】
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
【炭酸水素塩泉】
きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
【塩化物泉】
硫酸塩泉と同じ

【浴用の禁忌症】

一般的禁忌症 病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
泉質別禁忌症 【硫酸塩泉】
なし
【炭酸水素塩泉】
なし
【塩化物泉】
なし

その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫酸塩泉」「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。
②「硫酸塩泉」は肌を蘇生する美肌効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。
③「炭酸水素塩泉」は古い角質を除去する美肌効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。

【温泉】

※温泉の写真は「Amazing AOMORI」(青森県観光情報サイト)の無料写真ダウンロードにより入手したイメージ画像です。

「蔦温泉旅館」様の温泉は、源泉が足元から湧き出る秘湯であり、時折浴槽の底からコポコポと気泡が上がってきます。
「源泉湧き流し」の新鮮な温泉です。
風情ある木造りの浴槽で楽しむ「千年の秘湯」は、とても素晴らしいひと時となりました。

そして、「蔦温泉旅館」様のお食事は、青森県産を中心とする旬の食材を使ったお料理を美味しくいただきました。
夕食は懐石料理、朝食はバンケットスタイル(ビュッフェ)のお料理を楽しみました。

【夕食】
  

 
※焼き魚の写真は、岩魚の塩焼きです。

【温泉】

※温泉の写真は「Amazing AOMORI」(青森県観光情報サイト)の無料写真ダウンロードにより入手したイメージ画像です。

「蔦温泉旅館」様の温泉は、源泉が足元から湧き出る秘湯であり、時折浴槽の底からコポコポと気泡が上がってきます。
「源泉湧き流し」の新鮮な温泉です。
風情ある木造りの浴槽で楽しむ「千年の秘湯」は、とても素晴らしいひと時となりました。

そして、「蔦温泉旅館」様のお食事は、青森県産を中心とする旬の食材を使ったお料理を美味しくいただきました。
夕食は懐石料理、朝食はバンケットスタイル(ビュッフェ)のお料理を楽しみました。

【夕食】







※焼き魚の写真は、岩魚の塩焼きです。

5 効果的な温泉入浴の回数

温泉入浴には、心身にとって有益な効果が多々あります。

しかし、だからといって1日に何度も入浴するのは、体に負担がかかるためお勧めできません。
1日の温泉入浴の回数は、1~3回にしておくのがよいでしょう。
特に初日は、1~2回にとどめることが推奨されます。

湯治では、「七日一回り、三回りを要す」と言われ、次のような入浴をします。
1日目:1回の入浴
2日目:2回の入浴
3日目:3回の入浴
4日目:休息(湯あたり、不調部分の痛みが出てくるため入浴を控える)
5日目:3回の入浴
6日目:2回の入浴
7日目:1回の入浴
これを3回繰り返し、3週間の連続湯治を行うのがよいとされています。

しかし、3週間の休みをとれる人は、なかなかいないのが現実です。
そこで、週に1回(理想的には2回以上)の温泉入浴を3~6か月続けるという方法があり、これにより連続湯治に準ずる効果を得ることができます。

6 猿倉温泉

猿倉温泉は、十和田市にある温泉です。
八甲田山中にあり、猿が湯に浸かっているのを漁師が発見したのが温泉の始まりであるとされています。
江戸時代からの歴史のある温泉です。

2024年5月某日、猿倉温泉を訪れました。
猿倉温泉に来るのは今回が初めてであり、一軒宿の「元湯 猿倉温泉」様に宿泊しました。

【宿の外観】

なお、「元湯 猿倉温泉」様では、一部キャリアを除いて携帯電話が繋がらず、Wi‐Fiもありません。

まずは、「元湯 猿倉温泉」様の温泉について、ご紹介いたします。

【温泉】
 
※大浴場の写真です。スタッフの方の許可を得て撮影しました。

 
※貸切風呂の写真です。

泉質は「単純硫黄泉[硫化水素型](低張性中性高温泉)」であり、「単純温泉」と「硫黄泉[硫化水素型]」の2つの泉質の効能を持ちます。
浴用の適応症・禁忌症は、以下のとおりです。

【宿の外観】

なお、「元湯 猿倉温泉」様では、一部キャリアを除いて携帯電話が繋がらず、Wi‐Fiもありません。

まずは、「元湯 猿倉温泉」様の温泉について、ご紹介いたします。

【温泉】

  

※大浴場の写真です。スタッフの方の許可を得て撮影しました。




※貸切風呂の写真です。

泉質は「単純硫黄泉[硫化水素型](低張性中性高温泉)」であり、「単純温泉」と「硫黄泉[硫化水素型]」の2つの泉質の効能を持ちます。
浴用の適応症・禁忌症は、以下のとおりです。

【浴用の適応症】

一般的適応症 筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症 【単純温泉】
自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
【硫黄泉】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害を加える)

【浴用の禁忌症】

一般的禁忌症 病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
泉質別禁忌症 【単純温泉】
なし
【硫黄泉】
皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症

その他、「硫黄泉」はメラニン色素の分解を促すシミ予防効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。

「元湯 猿倉温泉」様の湯は、乳白色の濁り湯であり、硫黄のにおいに包まれます。
大浴場と貸切風呂で、猿倉温泉の硫黄温泉を繰り返し堪能しました。

そして、「元湯 猿倉温泉」様のお食事は、山菜や川魚を使ったお料理をおいしくいただきました。

【夕食】
  

 
※焼き魚の写真は、岩魚の塩焼きです。

【朝食】

【夕食】







※焼き魚の写真は、岩魚の塩焼きです。

【朝食】

7 温泉ソムリエマスター

2024年5月12日、北海道札幌市で温泉ソムリエ協会主催のステップアップセミナー「温泉分析書マスター」を受講いたしました。

このセミナーは、主に、温泉施設の館内に掲示される「温泉分析書」から、温泉の泉質等の特徴を判別する方法を学習するものです。
セミナーを修了したことにより、温泉ソムリエの上位ライセンスである「温泉ソムリエマスター(温泉分析書マスター)」に認定されました。

【温泉ソムリエステップアップライセンス認定証】

今後も温泉に関する学習を継続し、より一層理解を深めて参りたいと存じます。

また、セミナーの前日に開催された温泉ソムリエ協会主催の公式オフ会にも参加し、全国各地から参加された温泉愛好家の方々との交流を楽しみました。

【温泉ソムリエステップアップライセンス認定証】

今後も温泉に関する学習を継続し、より一層理解を深めて参りたいと存じます。

また、セミナーの前日に開催された温泉ソムリエ協会主催の公式オフ会にも参加し、全国各地から参加された温泉愛好家の方々との交流を楽しみました。

8 おわりに

今回は、青森県の3つの温泉のご紹介と、温泉入浴の効果を中心とする知識・情報を共有させていただきました。

今後も引き続き、温泉に関する日常コラムを継続的に執筆・掲載して参ります。

記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2024年5月23日

※本コラムの記事内容は、記事更新日時点の法令・指針および温泉分析書の掲示等に基づくものです。記事更新日以降に法令・指針の改正・改訂および温泉成分の再分析等、その他事情の変更があった場合でも、記事内容の加筆・修正等を行うことは予定しておりません。あらかじめ、ご了承ください。

温泉記事の一覧

【執筆者:代表弁護士・木村哲也】

番号 年月日 タイトル 内容
13 2024.10.23 代表弁護士の温泉紀行⑬ 青森県の温泉その13
【温泉紹介】
①大鰐温泉(その2)、②酸ヶ湯温泉(その2)、③梅沢温泉
【温泉解説】
①温泉入浴と運動・食事・飲酒、②温泉と文化財、③蒸し湯、④泉質別の特徴と効能
12 2024.9.27 代表弁護士の温泉紀行⑫ 青森県の温泉その12
【温泉紹介】
①板留温泉、②落合温泉、③下風呂温泉(その2)、④新大秋温泉
【温泉解説】
①温泉番付、②美人の湯、③子宝の湯、④湯めぐり、⑤温泉ソムリエマスター(その2)
11 2024.8.29 代表弁護士の温泉紀行⑪ 青森県の温泉その11
【温泉紹介】
①嶽温泉(その2)、②温湯温泉、③平舘不老ふ死温泉
【温泉解説】
①温泉地と名物グルメ、②温泉地と伝統工芸、③温泉地と文学、④温泉宿の後継者問題
10 2024.7.19 代表弁護士の温泉紀行⑩ 青森県の温泉その10
【温泉紹介】
①稲垣温泉、②五戸まきば温泉、③南田温泉
【温泉解説】
①温泉権、②温泉地役権、③温泉環境権、④宇奈月温泉事件
2024.7.2 代表弁護士の温泉紀行⑨ 青森県の温泉その9
【温泉紹介】
①古遠部温泉、②相乗温泉、③寒水沢温泉
【温泉解説】
①温泉偽装問題とは、②温泉偽装問題の影響、③近時の不祥事事例①温泉表示問題、④近時の不祥事事例②温泉の衛生問題
2024.6.19 代表弁護士の温泉紀行⑧ 青森県の温泉その8
【温泉紹介】
①百沢温泉、②三本柳温泉、③みちのく深沢温泉
【温泉解説】
①かけ流し・循環のメリット・デメリット、②入浴前に体を洗うか?かけ湯をするだけか?、③頭にタオルを乗せる理由、④内風呂と露天風呂ではどちらに先に入るか?
2024.6.5 代表弁護士の温泉紀行⑦ 青森県の温泉その7
【温泉紹介】
①古牧温泉、②浅虫温泉(その2)、③湯野川温泉
【温泉解説】
①入湯税と物価統制令、②温泉地の景観計画・景観形成、③飲泉、④温泉利用基準(水質基準を中心に)
2024.5.23 代表弁護士の温泉紀行⑥ 青森県の温泉その6
【温泉紹介】
①青荷温泉、②蔦温泉、③猿倉温泉
【温泉解説】
①温泉入浴の効果、②温泉入浴の3大効果、③効果的な温泉入浴の回数、④温泉ソムリエマスター
2024.5.9 代表弁護士の温泉紀行⑤ 青森県の温泉その5
【温泉紹介】
①大鰐温泉、②薬研温泉、③奥薬研温泉、④恐山温泉
【温泉解説】
①温泉法が定めるルール、②公衆浴場法・旅館業法が定めるルール、③温泉の表示に関するルール、④温泉の衛生管理に関するルール、⑤温泉経営における法務リスク
2024.4.17 代表弁護士の温泉紀行④ 青森県の温泉その4
【温泉紹介】
①嶽温泉、②湯段温泉、③城ヶ倉温泉
【温泉解説】
①環境省「令和4年度温泉利用状況」、②嶽温泉の源泉問題、③基本的な入浴法(全身浴・半身浴・足浴など)、④入浴事故を防止するための入浴法
2024.4.3 代表弁護士の温泉紀行③ 青森県の温泉その3
【温泉紹介】
①黄金崎不老ふ死温泉、②鯵ヶ沢温泉、③上北さくら温泉、④東北温泉
【温泉解説】
①温泉の色、②湯の花、③温泉のにおい、④温泉の湯ざわり、⑤温泉の温度
2024.3.26 代表弁護士の温泉紀行② 青森県の温泉その2
【温泉紹介】
①下風呂温泉、②酸ヶ湯温泉、③奥入瀬渓流温泉
【温泉解説】
①天然温泉と人工温泉、②温泉はどうやってできるか?、③源泉・元湯・引湯・かけ流し・循環について、④温泉ソムリエ検定
2024.2.6 代表弁護士の温泉紀行① 青森県の温泉その1
【温泉紹介】
①浅虫温泉、②谷地温泉
【温泉解説】
①温泉とは、②温泉むすめ、③温泉ソムリエ

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