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時効について

時効とは

時効とは、債権を持っていても、一定の期間、その債権を行使しないと、その債権が消滅してしまう制度のことをいいます。
 
時効という制度が存在する理由は、次の3つであるとされています。
  1. 債権を行使しない期間が長く続いた場合、その状態を尊重する。
  2. 長い期間が経過すると、債務者が支払をしていたとしても、その証明が困難になる。
  3. 長い期間にわたって債権を行使しない者は、保護に値しない。
 
債権が時効により消滅すると、原則として、その債権を回収することができなくなります。債権を確実に回収するため、時効には十分に注意する必要があります。
 

時効期間

どのくらいの期間が経過すれば債権が時効にかかってしまうか(この期間のことを時効期間といいます)は、以下のように、その債権の種類により異なります。
 

10年の経過により時効にかかるもの

債権の時効期間は、原則として、10年です。もっとも、多くの例外があり、10年より短い時効期間が定められています。
 

5年の経過により時効にかかるもの

・商事債権(会社の取引などにより生じた債権)
・家賃
 

3年の経過により時効にかかるもの

・医師、助産師、薬剤師の医療、助産、調剤に関する債権
・工事の請負代金
 

2年の経過により時効にかかるもの

・生産者、卸売商、小売商が売却した物品の代金
・教育者の教育、衣食、寄宿に関する債権
 

2年の経過により時効にかかるもの

・運送賃
・ホテルの宿泊料、飲食店の飲食料
 
※ここに記載したほかにも、時効期間が10年より短い債権があります。早めの債権回収をこころがけることが大切です。
 

時効の中断

時効に対する対抗手段として、時効の中断があります。時効の中断とは、それまで進行してきた時効期間をリセットし、振り出しに戻すことをいいます。
 
時効の中断は、次のいずれかがあれば、認められます。
  1. 債権者が債務者に対し、請求をする。
  2. 債権者が債務者に対し、仮差押え、差押えをする。
  3. 債務者が債権者に対し、債権の存在を承認する(認める)。
 
1の「請求」は、注意が必要です。ここにいう「請求」は、単に「支払ってくれ」と言ったり、請求書を出したりしておけばよいというわけではありません。時効を中断させる「請求」とは、裁判所に訴訟(裁判)、支払督促、民事調停を申し立て、支払を求めることを指します。
 
2の「仮差押え」は、債権者が訴訟(裁判)を提起して勝訴判決を得ても、差押えができなくなるおそれがある場合に、不動産、売掛金、預貯金など、債務者の財産を暫定的に差し押さえておく手続です。「差押え」は、勝訴判決などに基づき、債務者の財産の処分を禁止して確保し、そこから債権回収を図る手続です。
 
3の「承認」は、口頭による承認でも構いませんが、証拠が残らないという難点があります。そこで、念書などを作成させ、文書による承認をさせるのがよいでしょう。また、債務者が債権の全額または一部を支払った場合も、時効を中断させる「承認」があったものと認められます。
 
1~3により、時効が中断した場合でも、完全に時効による債権の消滅がなくなるわけではありません。時効の中断により、進行してきた時効期間が一旦リセットされるものの、時効を中断したときから、再び時効期間の進行が始まります。そして、さらに時効期間が経過してしまうと、時効にかかってしまいます。
 

時効期間が経過した債権の回収

時効による債権の消滅の効果は、時効期間が経過しさえすれば、直ちに発生するというわけではありません。時効は、債務者が「時効による債権の消滅を主張する」という意思表示(こうした意思表示のことを時効の援用といいます)をすることにより、はじめて効果が発生します。したがって、時効期間が経過したあとでも、債務者が時効の援用をしない場合は、債権を行使することができます。
 
そして、時効期間が経過したあとでも、債務者が支払、念書の作成などにより債権の存在を承認した(認めた)場合は、時効の中断(前述)が生じ、債権を行使することができます。
 
このように、時効期間が経過したあとでも、やり方によっては、債権を回収できる可能性があるのです。

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債権回収についてはこちらもご覧下さい

●債権回収の方法・手続について・その1 ●債権回収の方法・手続について・その2
●時効について ●債権回収と契約書について
●債権回収の解決事例1 ●債権回収の解決事例2
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